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てんかん治療の終結についてーてんかん診療ガイドライン2018ー


(2019.4.23)

代表医師の中嶋です。

臨床医にとって,てんかん治療終結の判断は難しい問題です。


今回は、2018年に改訂された,「てんかん診療ガイドライン 2018」のなかから,てんかん治療の終結に関する内容を紹介します。


日本神経学会監修「てんかん診療ガイドライン 2018」(医学書院,2018年3月15日発行)


第11章 てんかん治療の終結


小児では2年以上発作が寛解してから治療終結を考慮する


成人ではより慎重な配慮が考慮されるが,挙児希望時に減量・終結はむしろ積極的に考慮する


以下は,ガイドラインに記載された解説の内容をまとめます。


てんかんの治療終結について,多くのエビデンスが集積しつつあります。しかし,いまだに治療終結の時期についての統一的な見解は得られていません。


小児では,抗てんかん薬の長期服用による副作用を回避するためにも,治療終結で得られる利益は大きいといえます。

小児てんかんに対する短期間治療群(発作寛解2年未満)と長期間治療群(発作寛解2年以上)とで比較すると,短期間治療群では発作再燃のリスクが高い報告されていることから,小児については,2年以上の発作寛解を待ってから治療を終結したほうが再燃の危険が少ないとされています。


その一方,成人では,就労,運転免許といった社会的要因が大きいため,より慎重な配慮が必要です。

挙児希望の女性では,発作の寛解は治療終結を検討するよい機会といえます。

成人てんかんでは,そもそも短期治療と長期治療を比較したエビデンスそのものがありません。2年以上発作が寛解した成人てんかん患者を対象にした無作為化比較試験では,その後も治療を継続した群では2年後に78%は寛解していましたが,治療終結群では59%の寛解に留まり,発作再燃にかかわる最も重要な因子は,発作寛解期間の長さでした。

つまり,発作がない期間が長ければ長いほど,発作再燃の頻度は低くなるといえます。

以上のことから,成人てんかんにおける治療終結の決定は,諸要件を総合的に勘案し,患者ならびに患者家族の意向を尊重して個別に判断すべきです。


これからも,弁護士の皆様の役に立つと思われる医学的知見を紹介していきます。

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