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  • 執筆者の写真医療鑑定研究会 中嶋浩二

面談の大切さ ~弁護士の先生方と十分な信頼関係を結ぶために~

(2021.9.15)

代表医師の中嶋です。

今回は,私が大切にしている弁護士の先生方との面談についてお話します。


■ 400件のご相談をお受けして感じたこと


弁護士の先生方は,依頼者との信頼関係をとても大切にされていることと思います。

信頼関係の第一歩は,やはり,十分な面談時間を取ることではないでしょうか。


私は,弁護士の先生方から,400件を超える医療関連事案の相談をお受けしてきましたが,弁護士の先生方との信頼関係を構築する上で,面談が何よりも重要だと感じています。


■ 弁護士の先生方が抱く不安


弁護士の先生方も,ご自分が相談する医師が,どのような専門性を持っているのかといった情報は,インターネットで調べれば,大体は把握できると思います。

しかし,ご自分が全力で取り組んでいる事件に対して,相談する医師も同じように全力で取り組んでくれるかどうか,不安を感じることもあるはずです。話しやすさや,継続してサポートしてくれるのかも重要です。

そのようなとき,一度,会ってみたいと願うのは当然だと思います。

また,相談をお受けする私たち医師としても,依頼者である弁護士の先生のお人柄や熱意は,とても気になるところです。


■ 面談の大切さ


私は,できる限り,弁護士の先生方と,面談するようにしています。私にとって,弁護士の先生方は大切な依頼者です。

私が直接お受けした相談については,必ず,弁護士の先生と面談して医学的見解をお伝えしています。

面談で十分な信頼関係を結ぶことができれば,共通の目的を持った仲間として,その後も互いに協力し合うことで,皆が納得のできる解決につながるものと考えます。

私の場合,一回の面談では,1時間から1時間半という十分な時間をかけて,弁護士の先生方にできるだけわかりやすく,そして的確に説明するように心がけています。


■ 書面だけのやり取りは効率が悪い


私は脳神経領域を専門としていますが,文書で説明することが難しい内容も多く,面談で説明したほうが,はるかにわかりやすく,時間の節約にもなると感じることが多々あります。

弁護士の先生方が,医師に対して,質問を書面で送り,医師からの回答も書面のみという場合,もっと詳しく説明してほしい部分や,疑問点が必ず生じるはずです。

その場合,弁護士の先生方は,改めて医師へ質問をするために,わざわざ文書を作成し,それに対する医師からの回答を待つことになり,そのようなやり取りは,作業的にも時間的にも非常に効率が悪いと思います。


■ オンライン面談の普及による恩恵


いまは,オンラインでの会議環境が随分と整備され,インターネット回線を通して,どこでも面談ができるようになりました。

これは,お忙しい弁護士の先生方にとっても,非常に有用だと思います。

もちろん,直接,お会いするのに越したことはありませんが,それでも,一度も顔を見て話したことがないのと,オンラインでも面談したことがあるのとでは,雲泥の差があります。


■ 将来に向けて信頼関係を大切に


私に依頼をしてくださった弁護士の先生方から,後日,別件でも依頼をいただくことがあります。

弁護士の先生方と,十分な信頼関係を築くことができた証でもあり,とてもうれしく思っています。

依頼者にベストを尽くす弁護士の先生方を,医師の立場から全力でサポートするためにも,「まずは弁護士の先生方と十分な信頼関係を結ぶこと」をこれからも大切にしていきたいと思います。


最後までお読みくださり,ありがとうございました。



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