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  • 執筆者の写真医療鑑定研究会 中嶋浩二

【高次脳機能障害】神経心理学的検査を行う順番があるのをご存じですか?

(2023.6.18)


代表医師の中嶋です。


今回は【高次脳機能障害】を評価する神経心理学的検査を行う順番について解説します。



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はじめに


後遺障害等級の認定結果について、その妥当性を判断する上でも、神経心理学的検査の結果が参考となる場合があります。


ただ、一言で「神経心理学的検査」といっても、その種類はとても多く、何をどのような順番で行うべきかを理解していないと、効果的な評価は難しいといえます。


皆さんは、数ある神経心理学的検査の結果に対し、どの順番で検証していけばよいのか、ご存じですか?


高次脳機能に対応した神経心理学的検査について、たとえば、記憶機能であれば、WMS-R(Wechsler memory scale-revesed:ウェクスラー記憶検査改訂版)のような組み合わせは、「頭部外傷治療・管理のガイドライン第4版」にも示されています。


ところが、どの機能から評価すべきなのか、つまり「順番」について、解説されていることはほとんどありません。


能力のヒエラルキー


神経心理学的検査を行う上で最も注意すべき点の一つは能力のヒエラルキーといわれています。


意識障害のある人にいくら記憶の検査を行っても、その結果は結局のところ、意識障害を反映しているにすぎません。


注意集中力が低下している場合も同様です。そもそも残存する知的能力があまりにも低い場合は検査そのものが難しいといえます。


こういったヒエラルキーを考えると、検査の順番として、「注意機能→全般的な知能→記憶機能→前頭葉機能」が推奨されます


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具体的な検査の順番


STEP 1 注意機能


具体的には以下の検査を必要に応じて実施します。


「頭部外傷治療・管理のガイドライン第4版」で推奨されている検査を赤字で示します。(STEP 2以降も同様です。)


  • Digit Span(いわゆる順唱、逆唱)

  • Serial 7(100-7と引き算を繰り返すテスト。ワーキングメモリーも評価している。)

  • TMT-A(注意能力を全般的にみている。)

  • PASAT(連続して呈示される数字のうち、直近の2数字を足し算する課題である。)

  • CAT(高次脳機能障害学会が作成した注意検査のバッテリーである。検査に時間はかかるがさまざまな角度から注意機能を評価できる。)


STEP 2 全般的な知能


  • RCPM(レーブン色彩マトリクス検査、言語反応を必要としない簡易知能検査。失語の患者や注意力が落ちて長時間の検査ができない患者でも有用。)

  • WAIS-III・WISC-IV(時間が非常にかかるのが難。)


STEP 3 記憶機能


  • 三宅式記銘力検査(聴覚性記憶の簡単な検査)

  • Rey複雑図形再生課題(視覚性の記憶を評価)

  • Benton視覚記銘検査

  • WMS-R(国際的に広く用いられている検査)

  • RBMT(日本版リバーミード行動記憶検査;日常生活に酷似した状況下における記憶を評価する検査)


STEP 4 前頭葉機能


  • TMT-B(STEP 1のTMT-Aと同時に行うのが一般的である。)

  • FAB(前頭葉の機能を簡易評価する検査)

  • BADS(さまざまな遂行機能を評価する検査)


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■まとめ


今回は、神経心理学的検査の順番について、解説しました。


この内容は、あくまで一般論です。個別具体的な判断を要する場合もあります。


高次脳機能障害の評価では、神経心理学的検査の結果が参考となります。


結果を評価する際には、検査の順番についても意識してみると、より精度の高い検証が可能といえます。


後遺障害等級の認定に関する鑑定を承っております。


いつでもお気軽に「お問い合わせフォーム」よりご連絡ください。



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